聖バルボラ教会(St Barbara)
クトナー・ホラで見逃してはいけない聖バルボラ教会
プラハから少しのところにあるクトナー・ホラは、中に隠された宝の入っている玉手箱のようです。町の歴史的市街地に着いた途端、まるで宝箱のふたを開け、息を潜めながら中を覗いているかのような感覚にとらわれるでしょう。中に入っている宝物の輝きを見た後は、箱を完全に開けてみてください。宝物がその姿を現すでしょう。同じような感覚は、クトナー・ホラを歩いて細い路地のあちらこちらにある「宝」を見つけているときにも感じることができます。このような感動や驚きは、聖バルボラ教会の前に立ったとき精神的な謙虚さへと変わります。たくさんの宝の中からひときわ輝く宝石を見つけたときのような気持ちです。



市街地の高台に立つ後期ゴシック様式の聖バルボラ教会は、ボヘミアに四つある大聖堂タイプの建物のうちの一つです。教会の豪華さは現在に至るまで、かつて銀の採掘、硬貨の鋳造、そして財政の中心地として栄えたクトナー・ホラの町の富と名声を体現しています。
教会はキリスト教の殉教者、救難聖人、そして危険やリスクを伴う職業を持つ人々の守護聖人である聖バルボラに捧げられたものです。クトナー・ホラでは鉱山労働者の守護聖人とされています。中世のクトナー・ホラの発展に貢献した鉱山労働者たちは大聖堂の建設にも従事し、その大聖堂を自らの守護聖人に捧げたのでした。

大聖堂の建設は14世紀後半に始まりました。有名な芸術家や建築家が建設に参加しました。ベネディクト・リードもその一人です。クトナー・ホラの銀が底をついた16世紀中ごろ、建設は中断されました。続く何世紀もの間、改築されたり様式をバロック様式へと変更されたりしました。現在の様式は大規模な修復と再ゴシック化が行われた19世紀終わりから20世紀にかけてつくられたものです。
もちろん、ほかのクトナー・ホラの建築物と同じく、この聖バルボラ教会も歴史地区と一緒にユネスコ世界遺産に登録されています。
