カルルシュテイン(Karlštejn)

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中央ボヘミアの「宝」

もしチェコの各地方を、歴史的名所や人気の観光地の数によって比べランキング付けするなら、中央ボヘミアはそのトップに君臨するでしょう。国の宝といっても過言ではない数々の名所がここにはあります。

その中から訪ねる価値のある観光地をいくつかだけ選ぶのは難しいことです。飽きることなく何週間も何ヶ月も中央ボヘミアで過ごせることでしょう。お城や宮殿を訪ねることでチェコの歴史の奥深さを知り、また風光明媚な小さな町や村ではローカルな暮らしを感じることができます。そして有名な政治家や芸術家に縁のある建造物や場所は、チェコのような小さな国でも国境を越えてその名を知られている有名な人物が多々いることを教えてくれます。

中央ボヘミアの「宝」を訪ねる旅は一生忘れられないものとなることでしょう。その「宝」の数々をご紹介します。

戴冠宝物を守るカルルシュテイン城

カルルシュテイン城はチェコの象徴であり、この国の歴史の豊かさと複雑さを物語っています。城は長年の間、最も貴重なチェコ国家のしるしの一つである戴冠宝物を大事に守ってきました。現在は戴冠宝物はプラハの聖ヴィート大聖堂に保管されており、ごく稀にしか一般公開されません。

カルルシュテイン城

城の建設は1348年に始まり、その指揮はボヘミア王・神聖ローマ皇帝のカレル4世が執りました。彼自身、当初から城を重要な拠点とみなし、1355年から建設終了と内装工事を見届けるためカルルシュテイン城に滞在していました。そして1365年、ついに城の建設は尖塔の中の聖十字架礼拝堂の献堂式をもって完了しました。

カルルシュテイン城ほど有名な建物でも改築と修復は避けることができず、その内装と外装には後期ゴシック様式とルネサンス様式の影響が見られます。建築家ヨゼフ・モツケルによって19世紀終わりに行われた、純粋主義の影響を受けた最後の修復を経て、現在のような外観に至りました。建築的な観点からすれば、カルルシュテイン城は一目見るとだんだんと高くなっていく建物の並びに目を惹かれます。一番低い建物には外壁、井戸の塔、城伯の宮殿が、高い建物には王宮、そしてその上には聖母マリア塔があります。一番高い建物は60メートルある偉大な塔と要塞です。

その厚い城壁の向こうにはどのような宝と秘密が隠されているのでしょうか。1360年初め頃カレル4世は城に戴冠宝物―帝国の聖体と戴冠式で使用される宝石(城には現在ではチェコの王たちの聖ヴァーツラフ王冠のレプリカが展示されている)を保管することを決めました。このようなとても高価なものを保管する場所はありきたりの場所と言うわけにはいきません。そこでその保管場所には偉大な塔の2階にある聖十字架礼拝堂が選ばれ、保管のために修復もされました。礼拝堂はとてもユニークな芸術作品で装飾されています。その壁には高価な宝石や金が施されており、また巨匠テオドリクが描いた129枚もの板絵も飾られています。ほかの礼拝堂、聖カテジナ礼拝堂はカレル4世の祈祷室とも呼ばれ、建物自体も非常に価値のあるものですが、また城の中でも一番原型を留めている建物となっています。飾り石と絵で飾られた礼拝堂は聖母マリア塔の2階に位置し、城の中でも最も美しい建物の一つと考えられています。

カルルシュテイン城 王室ホール
カルルシュテイン城 聖母マリアのチャペル
カルルシュテイン城 ダイニングルーム

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