チェコ語弁論大会を終えて
チェコ共和国大使館で毎年チェコ語弁論大会が開催されているのをご存知ですか? 2019年度の弁論大会は6月8日(土)に行われ、11名が参加しました。
大使館でスピーチなんて遠い話…と思われるかもしれませんが、実はチェコ語やチェコ文化に興味のある方であればだれでも参加できる大会なんです。今回は、今年度の最優秀賞に輝いた竹中夕貴さんにブログを書いていただきました! 記事を読んだ後は来年度の大会にチャレンジしたくなるかも…? ぜひご覧ください。

Dobrý den(こんにちは)! 東京外国語大学チェコ語科2年の竹中夕貴です。私は先日チェコ大使館で行われたチェコ語弁論大会に参加しました。弁論大会は私の想像以上にとてもいい経験となったので、今回は参加者の立場からチェコ語弁論大会についてお話ししたいと思います。
チェコ語でのスピーチ
弁論大会は毎年さまざまなテーマが出題され、その中から1つ選んで約4分間のスピーチを行います。私はその中から„Jak bych strávil/a jeden týden v České republice“(もしチェコに一週間いたらどのように過ごすか)というテーマを選びました。私はまだ一度しかチェコを訪れていないのでチェコでしたいことは山ほどありましたが、今回は私がチェコ語を始めるきっかけともなった「音楽」とチェコを絡めて話をしました。
チェコでは毎年5月にプラハの春音楽祭が行われます。もし1週間チェコに行けるなら、わたしはぜひその音楽祭を訪れたい。初日に行われるスメタナの『わが祖国』の演奏を聴いたり、毎日コンサートに通いそこでの雰囲気を感じ取りたい。そんな私の夢をお話しました。
スピーチの内容は自分自身の趣味や体験などをベースにすると話しやすく、聞いているほうも面白いかと思います。私の場合は「音楽」でしたが、他の参加者の中にはチェコの本や留学で行ったモラヴィアについて話している方もいらっしゃいました。
さて、弁論大会はチェコ語でスピーチを行うだけではありません。スピーチの後には審査員からの質問を受けます。私の時の審査員からの質問は「スメタナの交響詩『わが祖国』の中で一番好きな曲はどれですか?」というものでした。質問はその場で聞いて答える必要があるので、臨機応変に対応できるかが重要なのですが、大好きな曲についての質問だったため落ち着いて答えることができました。事前にどのような質問がくるか予想しておくといいと思います。

弁論大会に参加しようと思ったきっかけ
弁論大会に参加するぐらいだったらもうチェコ語はペラッペラ!と思われてしまうかもしれませんが、全くそのようなことはありません。私は昨年チェコ語を勉強し始めたばかりのチェコ語初心者で、まだまだ会話では思ったことをチェコ語で話すことができません。そんな私が弁論大会に参加しようと決めたのは、大学の先生方からの後押しと今の自分の実力を試してみたい!という思いからでした。
練習は大学の先生方に付き合ってもらい、暇さえあれば録音した先生の声を繰り返し聞きいていました。弁論大会の練習を通して、いままであまり意識していなかった発音やイントネーションに気を付けるようになったため、得たものはたくさんありました。
弁論大会後のチェコトーク
弁論大会に参加してよかったと思えたのは、大勢の前でチェコ語のスピーチを行えたことだけではありません。そこでの人との出会いも、私にとって良い経験となりました。弁論大会には参加者だけではなく、チェコ人の留学生やチェコに興味がある方がたくさんいらっしゃいます。そのためそこで出会った人みんながチェコについて話すことができるのです。私も会場でお会いしたばかりの方とチェコ文学の話で盛り上がり、とても楽しい時間を過ごしました。

「大使館で弁論大会」と聞くと少し気が引けてしまうかもしれませんが、チェコ語で大勢の人の前で発表する機会というのはここでしかありません。もしも少しでも参加しようかな、という気持ちがあったら是非チャレンジしてほしいです。また聞きに来るだけでもとても楽しい時間を過ごすことができると思います。私もまた来年発表を聞きに弁論大会を訪れるつもりです。
竹中夕貴
1999年生まれ東京都出身。東京外国語大学国際社会学部中央ヨーロッパ地域2年チェコ語専攻。