写真家でなくとも楽しめる、モラヴィアン・トスカーナの風景

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モラヴィアン・トスカーナとも呼ばれるキヨフ(Kyjov)の町周辺では、チェコ国内ではここでしか見られない唯一無二の風景を眺めることができます。さまざまな線や丘が交差する起伏のある畑が特徴で、寂しげな礼拝堂や「キリストの受難」のような景色で彩られています。この風景は、写真家たちや美しい自然を愛する人々に好まれてきました。美しい景色を堪能したいけれどどこで写真を撮ればいいのかわからないのであれば、今からご紹介する、特に魅力的な場所を巡るルートに沿ってドライブしてみてはいかがでしょうか?

モラヴィアン・トスカーナの風景は、キヨフ高地で見ることができます。丘はそれほど高くはなく、標高は数十メートルほどしかありませんが、絵画のように美しい波を作り出しています。チェコ共和国内だけでなく世界でも有数のフォトジェニックな地域と言えるでしょう。似たような風景はイタリアのトスカーナ地方かアメリカのパルース市周辺でしか見ることができません。

しかし、20世紀半ばまでは、スロヴァーツコ地方は全く異なる顔を見せていました。大小の様々な畑は起伏のある土地に点在していただけでした。しかし、1950年代の集団農業化の動きを受けて、協同組合は徐々に畑を均一な区画に整理していきました。また、スロヴァーツコの起伏のある風景は、共産主義の下で行われた鉱業活動の影響を大きく受けました。もう何十年も採掘はされていませんが、視界のほぼ全域で大量の採掘活動が行われたため、この風景は徐々に崩壊していっているのです。これが野をさらにうねらせ、これによって生み出された傾斜は非常に印象的です。

モラヴィアン・トスカーナでは季節によって異なる美しさを堪能することができます。春になり景色が緑に色を変えていくと 、野の低木や木たちは花を咲かせ始めます。夏になると、穀物などのよく熟れた作物の匂いがこの地域全体包み込みます。秋になると、野は色とりどりの服に身を包み、緑の冬芽が芽生え、朝霧や逆転層が発生します。冬、景色が雪に覆われて眠っているときには、大きな野生生物の群れが集まり食糧を探している様子を観察することができます。

最高の写真を撮る方法

写真撮影に最適なのは、日の出後の朝または午後遅くの日没です。太陽が低く、かつ地平線から顔を出している時に、最も美しい光が野に降り注ぎます。丘の起伏が影を創り出し、人工物のような美しい風景を形作ります。また、辺りは正午よりも暖かく心地よい色に包まれることでしょう。日の出から1時間半後まで、または日没の1時間半前からの間に写真を撮るとさらに美しい風景をカメラに収めることができます。春には低木や樹木の蕾が花開きより印象的な景色を創り出します。夏の終わりから秋にかけては谷に朝霧がかかり、秋には木、低木、畑の色も移ろうので季節によって異なる景色を楽しむことができます。

ここでは風景の細部が特に美しいので、ズーム機能のあるカメラをお勧めします。一眼レフの中望遠レンズをお持ちの場合は、いわゆるウルトラズーム、チップが小さい一眼レフの場合は一般的な焦点距離70200 mmのレンズで撮影すると絵画のような景色を写真に収めることができます。フルサイズの一眼レフの場合、より長い焦点距離100400mmのレンズが役立ちます。写真をぼやけさせないためにカメラの焦点を同じ場所で長く固定する必要があるので三脚の準備もお勧めします。
 

景色の中で最も美しい眺め

ストラージョヴィツェ・キヨフ(Strážovice Kyjov) の近くの畑に立つ聖バルボラ礼拝堂は、モラヴィアン・トスカーナの美しさを捉えたい写真家たちにとって撮りがいのある撮影スポットとして有名です。特にキヨフとミストジーン(Mistřín)の間のスヴァトボジツェ(Svatbořice)からブドウ園へと続くムティニツカー(Mutěnická)サイクリングロードの展望台からの眺めは最高です。

聖バルボラ礼拝堂 / Photo from Kuzy z Nudy

ヤーミ・ウ・シャルディツ(Jámy u Šardic)からの眺め – ミストジーンから422番道路をシャルディツ方面に約2.5km進むと、廃車置き場「ライチャタールナ(Rajčatárna)」に到着します。ここで幹線道路から右折し、狭いアスファルトの道路に沿って小さな丘を登ります。自動車の乗り入れは禁止されていないですがもともと農業用の側道として敷かれた道であるため、乗り入れる場合には十分注意を払って運転する必要があります。しばらく行くと生物系廃棄物の保管場所に到着します。そこから撮れる畑の「波」の間を蛇行する道路の写真はまさに絵画のようです。
 
さらに数百メートル進むと、別の撮影スポットに到着します。開けた場所にあるので、あまり整備されていない地形でも車を避けることができるようになっています。畑を見渡せば、被写体に最適な緑の土地が広がっています。

バイオベルト-約1.5 km道路に沿って進むと、バイオベルトのふもとに到着します。バイオベルトは、通常幅6~12メートルの縞模様の草地で、傾いた場所に設置されています。他にもシャルディツェ(Šardice)とホヴォラニ(Hovorany)の間やストラージョヴィツェ(Strážovice)のふもとなどで、バイオベルトを目にすることができます。

バイオベルト/ Photo from Kudy z Nudy

バビー・ロム(Babí lom)からの景色-ストラージョヴィツェからキヨフに向かって54号線を進み、かつてのストラージョフ城を右手に通過し約1 km走行すると、ストラージョヴィツェの終わりに到着します。道路の左側にはレストランクルブ・ファルマージカ(Klub Farmářka)があり、軽食をとることができます。

右側は田園地帯の素晴らしい景色が広がっています。畑の中には2つの礼拝堂が立っています – 1つ目は前述した聖バルボラ礼拝堂で、2つ目は聖ペトロ聖パウロ礼拝堂です。聖ペトロ聖パウロ礼拝堂は地形の波に「溺れて」しまっています。鹿や野ウサギ、キジなどの野生動物たちが、よく礼拝堂の中を動き回っています。

夏の終わりから秋にかけて、朝霧がかかった時には、背の高い礼拝堂が霧の上に突き出て、下の畑に落ちているように見えることもあります。また、クルブ・ファルマージカの上に登り、さらなる絶景を楽しむこともできます。

季節によって表情を変えるモラヴィアン・トスカーナにぜひお越しください。
サイクリングマップ(チェコ語):https://www.mestokyjov.cz/assets/File.ashx?id_org=7843&id_dokumenty=32747

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この記事を書いた人

チェコ政府観光局

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