南ボヘミアの古都 Prachatice(プラハティツェ)でルネッサンスや共産主義の歴史を見る

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南ボヘミアの町プラハティツェ

プラハティツェはプラハから150キロ程離れた南ボヘミア地方にある町です。
ビールのBudvar(ブドヴァル)の発祥地として知られるチェスケー・ブジェヨヴィツェの西約 30km に位置しています。

シュマヴァの森、リビン山や ジヴニー川に囲まれる自然豊かな「ボヘミアンフォレスト」の町です。

約9世紀頃に集落が作られ、1381年にローマ王に即位したヴァーツラフ4世が輸入された塩を貯槽し販売する権利をプラハティツェに与えたことにより15世紀末から16世紀に栄えました。現在は約11,000人の住民が住んでいます。町の中心地は中世的な古都があり、都記念碑の保護区として法律で保護されています。

市街地 では14世紀に建てられた聖大ヤコブ教会、1571 年に建てられたルネサンス様式の旧市庁舎、プラハティツェ博物館では中央ヨーロッパで最大の日時計を見ることができます。

15 世紀からのフス戦争、ロジュンベルク家の支配、16世紀には皇帝ルドルフ 2世、17世紀のエッゲンベルク家の所有となったりと、プラハティツェは常に政治的および経済的状況な狭間にあった町と言えるでしょう。

歴史的中心部は 17 世紀と 18 世紀の経済生活の停滞により、今も多くのルネサンス様式の建物が 1981 年以降、都市記念物保護区として保護されています。

歴史的中心部は 17 世紀と 18 世紀の経済生活の停滞により、今も多くのルネサンス様式の建物が 1981 年以降、都市記念物保護区として保護されています。
また、1918 年までこの町はオーストリアハンガリー帝国 の一部であり、第二次世界大戦が終わるまではナチス政権下にあった国でもありました。1945 年以降ロシアのお陰でドイツ人は追放され、それに代わり共産主義体制となりました。

オーストリアとドイツの国境沿いにあるこの町には、共産主義時代のTankovka(タンク通り)と言われる戦車専用のコンクリートの道が今も面影を残しています。

当時の軍用倉庫なども現在では他の用途に使われ、現在町には共産主義時代の建築(パネラークと言われる集合住宅)とルネッサンス建築が共存しています。

このような時代背景があるところですが、現在の町はとても静かで美しく、中心地には観光地や美味しいお店も立ち並んでいます。
今回、地元のガイドの方に案内してもらいながら、このまちでオススメなお店にも連れて行ってもらったので紹介したいと思います。

プラハティツェのおすすめの店

Čajovna U hrušky 
世界中のお茶を集めた茶屋で、建物の地下を改装した店内は、迷路の様に奥深くまで店内が広がっています。

Pizzeria Primaveraはこの町一番のピザ屋という定評があり、私が選んだフンギピザ(きのこのピザ)もとても美味しかったです。

Pivovar Prachatice  

この町唯一のビール醸造所であり、大人気の飲み屋としても常に人が沢山います。Prachaticeの冠ビールはクラシックな苦いチェコビールとは違い、柑橘系フレーバーのクラフトビールの様な、とても飲みやすいながら濃いビールを提供してくれます。その場で飲む生ビールももちろんお勧めですし、お持ち帰り用のビールも購入できます。

皆さんにも是非プラハやチェスキー・クルムロフ以外のチェコの素晴らしい町の歴史や景色を楽しんでもらえると嬉しいです。

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この記事を書いた人

アートサバイブログ

アートメディア「アートサバイブログ」です。「クリエイティブに世界をサバイブする」をテーマに、チェコを中心としたヨーロッパのアートシーンや、アーティストサバイブ情報などを発信しています。活動拠点としているプラハは常に新しい魅力に溢れています。みなさんの好奇心を刺激するホットな情報から、ディープなスポットまでお届けできたらと思います。