#チェコの妄想旅〜新旧チェコ文化にふれる旅〜

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こんにちは。絵はんこ作家で、チェコ親善アンバサダーのあまのさくやです。

学生時代にはじめてチェコアニメを見て、人の手を感じる素朴な可愛さと、理解を超える世界観と、暗さを伴う雰囲気という重奏ハーモニーに惹きつけられてしまい、一体どんな国なんだろう?と思ったのがチェコに興味を持ったきっかけでした。知れば知るほど好きになってしまい、現在は、手彫りのはんこイラストや、エッセイを通じてチェコの魅力を発信するようになりました。チェコには通算4回行っていますが、それでもまだまだみていない景色がたくさんあり、取り憑かれたように、いつだってチェコに行きたいと妄想を膨らませております。

チェコの妄想旅テーマ:「新旧チェコ文化にふれる旅」

チェコといえばプラハ、の印象が強く、私ももちろん好きな街なのですが。今度チェコに行くときは、『チェコ文化体験』をテーマに、伝統的なお祭りと、現代のチェコを両方体験したい!

ということで今回は、ブルノ周辺を拠点にしつつ、周辺の小さな町村で行われるお祭りに参加するという欲張りな旅を妄想しました。

実は今回ご紹介する街は一度訪問済みなのですが、お祭りやイベント開催中に訪れるとまた違った顔を見せてくれるだろうという期待と、もっと街の文化を深掘りしたい!という気持ちを交えて、ご紹介します。

キーワードは、『伝統文化』・『工芸品・民芸』・『人形劇』・『ローカル』えっ、多すぎ?(笑)

4泊5日の妄想旅、のはずが欲張りな私は、スロバキアのブラチスラヴァからスタートしているので、すでに5日間超えしております。

他国からチェコに入る方法は、プラハ経由だけとは限りません。オーストリアのウィーンやスロバキアのブラチスラヴァなどから入る場合は、南モラヴィア地方の街から入るという手もありますね。

伝統的なチェコ文化を体験したい「ストラージュニツェ」

まず第一目的は、ストラージュニツェの『国際フォークロアフェスティバル』!例年、6月末の週末、4日間にかけて行われます。(2020年は開催中止。涙)

Photo by neznamy

民族衣装の『クロイ』がみられるのもこのお祭りの嬉しいところ。クロイは町や村ごとに色やデザインも異なり、それが一同に会してみられるのも、このイベントならでは。チェコのみならず世界各国の民族衣装もみられるらしい見たい

お祭りに加えて見逃せないのは、マーケットで販売される工芸品や、民芸品の数々。観光中心地では日頃あまり見かけないような手作り品がずらりと並ぶようです。地元の食べ物や名産のワインももちろん存分に楽しめます。

また、この街には、チェコに2つだけ残る藍染工房のひとつがあります。

現在ヨーロッパの藍染めは、世界文化遺産登録されており、1906年に創業したこちらの工房では、手捺しスタンプで糊を生地に載せていき、後に藍の染料に浸けていくという伝統的な手法で制作が続けられています。

ARIMO藍染工房

先述したクロイとも縁が深く、藍染の生地を使った民族衣装も、フォークロアフェスティバルで見ることができます。

このイベントを2日かがりで楽しんだ後は、プラハに次ぐ第二都市の『ブルノ』へ移動します。

ローカルな美食とカルチャーに出会いたい「ブルノ」

ブルノのキャベツ市場

まずブルノで楽しみたいのは、地元のレストランやカフェ。ブルノはチェコの中でも美食の街として知られ、チェコ国内からブルノへ美味しいものを食べにくる人も多いのだとか。観光客は少ないブルノでは、コスパ良く&美味しい、地元の人に愛されるお店しか生き残れないというのも名店が多い理由のよう。

ブルノで出会いたいのは、『ローカル』なチェコカルチャー。

チェコの作家による、チェコデザインの品々を扱うショップが、ブルノにはたくさんあります。洋服ブランドやアクセサリーなど、ブルノ発のブランドも。ブルノは学生の多い街でもあるので、この街で学んだ人がブルノに愛着を持って店をオープンするというパターンもあるのでしょう。

PLACE STORE::https://www.facebook.com/placestorecz/

ブルノのみならず各地にある、チェコの作家ものを扱う雑貨店。アクセサリーや洋服など、ちょっと変わったモダンなチェコ土産をゲットしたい。

ブルノの魅力は、観光地とは別軸にあって、地元の人々の生活にすぐに手が届きそうなところ。ここに住んでみたいなとすら思わせる、なんとも言えない居心地の良さがあります。

たとえば、パンケーキのお店ながら、展示やイベントも随時入れ替わりで行われるカフェ「Panksy」なども楽しそう。お茶飲みがてら立ち寄ってみたい。

小劇場「Divadlo Druhý Pád」や、映画館「Kino Scala」など、様々なイベントが楽しめる小劇場や映画館などもあるので、滞在日程に合わせてスケジュールを調べておきたい。言語がわからないからと敬遠する前に、旅の経験として一度飛び込んでみるのもいいなと思ったり。

また、名建築も揃うブルノで見ておきたいのは、『トゥーゲンハット邸』。チェコとスロヴァキアが分離独立をした調印式が行われた場所でもあります。

photo by Aleš Motejl

ただし訪問時には、三ヶ月前から予約すべし、と言われるほどの人気ぶりなので要注意。

© České dědictví UNESCO

今回の妄想旅のスケジュールには入りきりませんでしたが、原則第二土・日曜日に開催されているブルノの蚤の市も狙って行きたいところ。

ちなみにブルノのインフォメーションセンターは、すごくガイドブックが充実しています。テーマ別(建築・地下・グルメ・コーヒーなど)に細分化されたガイドブックが無料で入手できるのでおすすめです。街のミニガイドは日本語版も!

ブルノでローカルなチェコをたっぷり楽しんだあとはさらに小さな街・フルディムへ移動して、『人形劇フェスティバル』に参加します。

チェコ人のハート・人形劇文化に触れたい「フルディム」

チェコといえば人形劇。人形アニメをきっかけにチェコに興味を持った私は、所縁深い人形劇文化を改めて掘り下げたい!と思いを胸にこの街へ。

フルディムには、『人形劇ミュージアム』があります。その街で、例年6月末~7月頭に開かれるのが『人形劇フェスティバル』。

Photo by Loutkářská Chrudim

小さい街の中を、広場を大きな人形が練り歩いたり、道端で紙芝居屋さんのように移動式のマリオネット劇場が出没!お子さんがいたら一緒に大いに楽しめるのでしょうが、子供と楽しめるように作られたものは、言語を超えて大人でも楽しめるはず。

川べりで楽しむ人形劇も楽しそう!
(こちらの動画の2:40くらいから少し観られます)

Photo by Muzeum loutkářských kultur Chrudim

『人形劇ミュージアム』は常設展だけでも素晴らしく、いかにチェコにとってマリオネットが重要であったか、という歴史を体感しながらたどることができます。一家庭に一つはある、とも言われるマリオネットのセットも見ることができ、もし私がチェコ人の子供として育ったらこんな感じだったのだろうかなどと、想像も膨らみます。

Photo by Muzeum loutkářských kultur Chrudim

さらに、実はこの街の『地域博物館』には、ミュシャのポスターコレクション展示が常設展示されています。オリジナルの図録もありますよ。チェコの小さな街で出会うミュシャも本当に乙なものです。

フルディム、小さいながら、魅力がギュギュギュッと詰まった街で、あなどれません。

さあ、フルディムを後にして、電車でプラハへ向かいます

まとめ

ここまでで4泊5日の旅。5月や6月はお祭りやイベントも多いので、こんな風に旅程をつないだ欲張りな旅もいいんじゃないでしょうか。

ちなみに、6月中旬には、ビールでも有名なプルゼニュの街でも、チェコ最大の人形劇フェスティバル『スクポヴァ・ピルゼン』が開かれるので、日程が合うようならそちらも訪れたいところ。

(『スクポヴァ・ピルゼン』Youtube

妄想じゃなく実際にチェコの地に足を踏み入れられるその日まで、妄想の解像度を上げて、楽しんで行きましょう。

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絵はんこ作家・エッセイスト あまのさくや
はんこイラストと写真を交えたチェコ旅行記を、noteにて公開しています。
https://note.com/sukimajikan/m/m7f50cf59f610

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この記事を書いた人

チェコ政府観光局

チェコ政府観光局は1993年に設立され、日本を含む世界20カ国でチェコの観光情報の発信を行っています。
日本支局では、チェコを旅行される皆様がチェコの美しい景色や文化を快適に楽しめるよう、日本語のウェブサイト、SNS (Facebook, Twitter, Instagram, Line@)、ニュースレターなどを通じて実用的でフレッシュな情報をお届けしています。
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