フルシツェ(Hrusice)
黒ねこミケシュと作者ラダを訪ねてフルシツェへ
大人になるってそんなにいいことばかりではありません。家で遊ぶか、友達と外で遊ぶかが一番の悩みだった子供の頃のほうが良かったようにも思えます。夢中になって本を読んだり眺めたりしていたのを覚えていますか。自分の周りのことは何も見えなくなって、お話とおとぎ話の登場人物とファンタジーに没頭した時を。もしかしたらもうそんな記憶はうっすらとしかないかもしれません・・・。そんなあなたに、あの時に戻れる方法があります!
フルシツェにあるヨゼフ・ラダ記念館を訪れてみてください。想像力に満ち溢れたカラフルで温かなラダの世界で午後のひと時を過ごせば、子供の頃の喜びが魔法のように立ち現れます。ラダの描く世界、魔法のようなイマジネーションは、灰色のありきたりのルーティーンやつまらない惰性の仕事をどこかに押しやります。イラストレーター、画家、作家であったヨゼフ・ラダは、つまらない日常を絵や言葉で魅力あるお話に書き換える、類稀なる才能を持っていました。

彼の芸術表現はとても特異でオリジナリティあふれるものでした。彼の絵の中に描かれているのはつつましいけれども幸せな農民の村の生活です。その生活は季節とともに流れ、愛情をこめて行われる仕事とささやかな幸せでいっぱいです。彼が得意としていたのは子供向けのイラストでしたが、大人向けの書物のイラストも引き受け、自身の本のイラストも書いていました。中でも有名なのは黒ねこミケシュの話です。生涯において15000以上ものイラストを描きました。人気がある作品の一つにヤロスラフ・ハシェクの「兵士シュヴェイクの冒険」のイラストがあります。画家としては550枚もの絵を残し、また舞台や映画のセットと衣装も手がけていました。

ラダと家族が夏をすごしたフルシツェの家にはたくさんの資料があり、記念館に展示するには十分でした。記念館には家族の写真の展示や、子供および大人向けのラダのイラストが描かれた本のコレクションなどいくつかの常設展があります。また、「兵士シュヴェイクの冒険」についてやラダの娘で芸術家のアレナの作品の展示もあります。