エステート劇場(The Estates Theatre)

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1783年完成のこの華麗な劇場は、古典様式の建物として建設され、ほとんど当時そのままの姿を保っています。ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトのミュージカル、特に現在でも劇場の演目に挙がる彼のオペラ、ドン・ジョヴァンニの初演が行われたことでこの劇場を知る人も多いことでしょう。エステート劇場は国立劇場の一部であり、ドラマ、オペラ、バレエの舞台です。

エステート劇場

この劇場は進歩主義者の伯爵フランティシェク・アントニーン・ノスティツ・リエネツが皇帝ヨゼフ2世からの承認を得て建設されたもので、礎石にも1781年6月7日と銘打たれています。礎石を設置する際、土の下から銀のコインの収納された箱が発見され、それは幸運のサインといわれています。エステート劇場は古典主義の様式で建築家アントニーン・ハフェネケルにより設計され、オーストリア、シュタイアーマルク州にあるレオーベンの劇場と並びヨーロッパで唯一、元来の状態を保つ古典主義様式の劇場です。ノスティツ伯爵はこの劇場を国家と芸術を司る神ミューズのために作ったとされ、建物にはラテン語で国家とミューズ(Patriae et Musis)と碑文が打たれています。

劇場の歴史は1798年ここで自身のオペラ、『フィガロの結婚』の指揮をしたヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトの名前と切り離すことはできません。1787年10月29日にはプラハ市民に捧げたオペラ『ドン・ジョヴァンニ』の世界初演もこの劇場でのことでした。それに続きモーツァルトのオペラの数々がこのステージに上がりました。また、劇場はプラハで撮影された映画ミロシュ・フォルマン監督、オスカー受賞作品である『アマデウス』の中にも登場します。

エステート劇場内部

ノスティツ伯爵の死後、相続人はボヘミアの貴族衆に劇場の買収を申し出、1798年に買収され、その時から国立エステート劇場(Královské stavovské divadlo)と呼ばれています。そして1948年国立劇場のドラマ部に帰属となり今に至ります。モーツァルトのオペラの故郷はまさにこの地にあり、時には歴史的にその当時のままステージを再現されることもあります。

プラハ市観光局リンク : https://www.prague.eu/ja/object/places/218/stavovske-divadlo?back=1

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