チェコで飲みたい幻のワイン、ブルチャーク【リレーブログ⑨】
はじめに
2019年よりチェコ親善アンバサダーとして活動している岡村龍弥こと、シャンディです。コロナ禍以前は若い世代に海外1人旅を広める活動をしていました。最近は「どこでも働ける人材」、いわゆるノマドワーカーを育成して、旅がまた安心してできる世の中に備えています。

チェコにはじめて訪れたのは2012年、日本からスペインへ旅をする際のトランジットとしてプラハを訪れましたが、短期間の滞在にも関わらず猛烈にハマりました。プラハには、ヨーロッパのさまざまな時代の建築様式の建物がすべて残っていると言われており、さらに数百年を経て複数の建築様式が組み合わさり、他のヨーロッパ諸国とは異なった景観を楽しめます。
アンバサダー就任前から旅の講演会などでオススメの国を聞かれた際に必ず「チェコ共和国」と回答するほどには大好きでした。

チェコの世界1はなんといっても1人あたりのビール消費量。少し前の2018年のデータですが、国別の1人あたりのビール消費量は26年連続トップの192リットルです。2位のオーストリアと84リットル差でダントツのトップ、日本は約40リットルで世界52位。
そんなビール消費量が多いことで知られるチェコですが、実はビール以外にワインも有名です。ワインの中でも限られた時期にしか飲めない「ブルチャーク」を今回はご紹介したいと思います。
幻のワイン「ブルチャーク」を知っていますか

幻のワインと呼ばれるブルチャークBurčákを飲みたい方は9月にチェコに行きましょう。
ブルチャークを販売してよいとされる時期は毎年9月から10月にかけて。ワインの生産が盛んなモラヴィア地域を中心にワインの収穫祭や、ファーマーズマーケットなどで楽しむことができます。その中でも後述する収穫祭が盛んに行われる時期が9月のため、9月の渡航がおすすめです。

ブルチャークは収穫したてのぶどうを使った、発酵途中のワイン。ワインのどぶろくとも呼ばれ、新鮮なぶどうジュースのような味わいです。
なぜ幻のワインと呼ばれるかですが、飲む時期が限定されてることもさることながら、発酵途中であるため持ち帰り用のペットボトルに注いでも、キャップをきっちり締めることができません。締めた場合、発生するガスにより吹きこぼれてしまいます。そのためキャップをゆるく締めることになるのですが、横に寝かすと漏れてしまうためまともに運搬できません。
もちろんガラスの瓶にそそぐことも危険がありできないため、輸出などはできず現地でしか楽しむことができないのです。さらに極端な例ですが発酵している最中であるため、朝タンクから注いで購入したブルチャークをすぐ飲んだ味わいと、夜に飲んだ場合とではもう味が異なります。
このあたりがブルチャークが幻のワインと呼ばれる由縁ではないでしょうか。
各地で行われるブドウの収穫祭

ブルチャークを楽しめるモラヴィア地方のブドウの収穫祭。 各地で週末に行われることが多いのですが、ブルチャークだけでなくたくさんの屋台がでて、ステージでは音楽が繰り広げられ、中世ヨーロッパをイメージするパレードが行われます。

ブドウの収穫祭を最大限に楽しむため、参加する場合はワイングラスを購入するのがよいでしょう。紐付きのワイングラスを首からぶらさげ、屋台めぐりをしましょう。出来立てのワインやブルチャークが1杯100円程度の安価な価格で販売されています。
これまでミクロフとズノイモのブドウ収穫祭に参加しましたが、どちらも特色があり本当に楽しかったです。
ワイン好きにオススメな地域「ズノイモ」

リレーブログのお題として「おすすめの地域」をいただいていますが、ワインが好きな人はぜひともズノイモに訪れていただきたいです。

可能であれば9月のブドウの収穫祭シーズンを訪れて欲しいのですが、それ以外でも「ワインバス」というものが走行しており、いわゆるワイナリーを巡るバスツアーなのですが、バス乗車前にワイングラスを渡され、10種類近いワイナリーを巡り、1箇所1杯、無料でワインを飲むことができるのです。
2杯目からは有料になりますが、それでも価格は安く、気に入ったワインがあればその場で購入できるので、お土産にもピッタリ。好みの味を探して日本に持って帰り大切な人にプレゼントしてみてはいかがでしょうか。
さいごに

ビールの消費量の多さや、日本で主流なビールの源流となった「ピルスナー」発祥がチェコであることから「チェコといえばビール!」と思われていた方もいたのではないかと思いますが、チェコに遊びにいくには是非ともワインも楽しんでもらいたいです。
チェコ親善アンバサダーで繋ぐリレー形式のブログ、次にバトンをお渡しするYoAさんには
「チェコでできるおすすめの体験はなんですか?」を回答していただこうと思います。