天文時計(Astronomical Clock)
ヨーロッパでも最も古い時計の一つに数えられる天文時計を有する旧市庁舎はプラハの観光名所の中で最も重要なそして人気のある観光名所の一つです。建物はもともと1338年に旧市街自治の場として建設されました。旧市庁舎の正面にあたる壁に天文時計が設置されたのは1410年のことで、仕掛けの一部として特別な石造の部屋が設けられています。(朝9時から夜11時までの間)時計が時を告げる時、十二使徒の行進が動きだす様子は観光客の間で非常に人気があります。

天文時計は異なる部分で構成されています。それは暦板、実際の時計である天文盤、そして十二使徒の動きを司る仕掛け部分です。時計部分はカダニのミクラーシュにより1410年に製作され、15世紀の終わり頃ルージェのハヌシュによって完成されました。伝説によれば、プラハ評議会は時計完成後に同じものを作ることが出来ぬよう、ハヌシュの目を潰してしまったと言われています。
朝9時から夜11時までの毎時間、それぞれ象徴的意味を持つ十二使徒が小さな屋根の下の小窓から姿を現します。左の窓に最初に現れるのは鍵を持つ聖ペテロ、そして斧を持つ聖マタイ、聖杯を持つ聖ヤコブ、Xの形の十字架を持つ聖アンデレ、また十字架を持つ聖フィリポ、そして最後は棍棒を持つ聖小ヤコブです。右の窓には最初に本を携えた聖パウロ、楯を持つ聖トマス、のこぎりを持つ聖シモン、棍棒を持つ聖ユダ・タダイ、皮切ナイフを持つ聖バルトロマイ、巻物を持つ聖バルナバと続きます。

1945年5月、戦火により天文時計のすべての彫刻が破壊されました。1948年木製彫刻家ヴォイティエフ・スハルダにより木製の彫刻として作り直されました。十二使徒の行進が始まる時、天文時計の傍に据えられている彫刻も同じく動き始めます。死神が鐘を鳴らす紐を引くと、二つの小窓の向こうで十二使徒が行進を始めます。死神は顎でトルコ人を示し、貪欲の象徴であるトルコ人は首を横に振って死を拒絶します。巾着を手にした守銭奴も首を振り、手に持つ杖は恐れで震えています。また虚栄心の象徴として隣に立つ男は鏡に映る自分の姿に見入っています。小窓が閉じる時、その上の窓にいる雄鶏が鳴いて、人生の残りの1時間を告げます。暦板と同じ高さには他にも木製の彫刻があり、それは羽根のペンを持つ哲学者、望遠鏡を持つ天文学者、本を持つ歴史学者、炎の剣を持つ大天使ミカエルです。

旧市庁舎の内部も歴史的価値が高く、十二使徒を近くで見ることのできるチャペルもその一つです。旧市庁舎の上にある展望塔からは息をのむプラハのパノラマが楽しめます。

営業時間
塔
- 1月から12月まで、月 : 11:00 – 22:00
- 火、水、木、金、土、日 : 09:00 – 22:00
歴史的な旧市庁舎内部
- 1月から12月まで、月 : 11:00 – 19:00
- 火、水、木、金、土、日 : 09:00 – 19:00