チェコの伝統菓子

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チェコの食文化の中で甘いお菓子は特に重要です。一番最初のレシピ本には、甘い蜂蜜やドライフルーツでトッピングされたポリッジ、ジンジャーブレッドに、様々な種類のフルーツケーキ、チーズケーキ、そしてケシの実のケーキなどが記載されていました。発酵生地から作られるケーキは今日でもチェコでよく作られ、地域によってまた独特のつくり方があるのです。

地域によって異なるのが形やフィリングです。ケーキは大きなトレーに入れて焼かれた後にスライスしたり、形作った後にフィリングを詰めます。例えば、小さい丸い形のものは「コラーチ(koláč)=ウェディング・バン」と呼ばれ、また北モラヴィアの大きなフルーツのケーキは「フルガール(Frgál)」と呼ばれています。

コラーチ

フィリングが詰められたパンは特別です。どのように作られるのでしょうか?小さな柔らかい生地を平らに伸ばしたら、果実ジャムやケシの実、クリームチーズなどの甘いフィリングを詰めます。そして小さなボールの形に丸め、トレーに一個一個丁寧に並べます。バターを塗り、こんがりとキツネ色に焼いたら砂糖をちりばめ完成です。

しかし、観光客が最もひかれるチェコの伝統菓子といえば「オヴォツネー・クネドリーキ(Ovocné knedlíky)=フルーツダンプリング(団子)です。フルーツダンプリングはコラーチと同じ発酵生地や、ポテト生地、クリームチーズ生地、そしてシュークリーム生地からも作られ、季節の果物が詰められます、定番なのが苺、杏子、ブルーベリー、そして秋にはプラムです。次に、砂糖、擦りつぶされたケシの実、パン粉が散りばめられます。仕上げにクリームチーズを塗り、溶かしバターをかけて完成です!余談ですが、チェコ国内の大食いコンテストではこのフルーツダンプリングが用意されることも。現在の最高記録は男性による一時間で202個のプラムダンプリングの完食だそうです。

フルーツダンプリング

チェコの伝統菓子はまだまだたくさんあります。様々な種類のポテトパンケーキやポテトパイなどもあります。プラムジャムが入った「ブランボロヴェー・タシュティチュキ(Bramborové taštičky)はとても人気のチェコ菓子です。そして地方の伝統菓子、ジャガイモの甘いニョッキ「シュクバーンキ(Škubánky)も忘れてはいけません。実はこの名前は、チェコ語の「引っ張る」という動詞から名づけられています。なぜでしょう?その秘密は作り方に隠されているのです。

ジャガイモはまず柔らかくなるまで茹で、粗挽きの小麦粉をふりかけ生地を作ります。この出来上がった生地を、硬く光沢が出るまで木製のスプーンで引っ張るように何度も混ぜ合わせます。出来上がったニョッキ生地をスプーンで切り分け、砂糖とケシの実を散りばめ、温めたバターでコーティングして出来上がりです。

ケシの実はチェコ料理にとてもよく使われ、特にお菓子作りでは頻繁に使われます。というのも、チェコはケシの実の生産が世界で一番多い国の一つだからなのです。

フルーツダンプリングを堪能できる場所

  • レストラン・タロウカ,  パークホテル・プルーホニツェ:ウェブサイトはこちら
  • ペンション・コヴァールナ,  リポヴァー=ラーズ二ェ:ウェブサイトはこちら
  • ヴィラ・パトリオット, マリアーンスケー・ラーズ二ェ:ウェブサイトはこちら
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