キャンドルから生まれたチェコ料理?- スヴィーチュコヴァー
チェコ料理の中でもっとも特別な一皿の一つであり、どこのレストランでも見かける料理が、ゆでパン(クネドリーキ)とクリームソースが添えられた「スヴィーチェコヴァー」です。この名前の秘密は何でしょう?
スヴィーチュコヴァーの基本の「き」
まず、ベーコンを挟み酢液でマリネしたビーフサーロインを、根菜とローリエ、胡椒、オールスパイス、そして一つまみのタイムといった定番のスパイスと一緒に蒸し煮します。次に、蒸し煮した肉と野菜の出汁を濾して濃厚にし、クリームを加えて滑らかにしたら再度煮込みます。この丁寧な行程により、煮込まれた野菜の甘酸っぱい風味がソースに加わりるのです。チェコでは、各家庭、各シェフがこの誰もが好きなソースを引き立てるレシピを持っているので、チェコで味わえるスヴィーチェコヴァーのソースの風味はそれぞれ異なるのです。ある地域ではホイップクリームが添えられていたり、また一方の違う場所では野菜の風味がより強調されているものもあります。
このスヴィーチェコヴァーには、もう一つチェコ料理に欠かせないもの、ゆでパン(ホウスコヴェー・クネドリーキ/houskové
knedlíky=パン入りゆでパン)が添えられています。小麦粉、卵、牛乳、そしてソーダ、イースト、ベーキングパウダーなどの膨張剤を混ぜた生地に、風味として硬い白パンをさいの目に切ったものを混ぜます。これが名前の由来になっています。サイドディッシュに風味と名前を付けます。調理されたパンは円形に切り分けられ、スヴィーチェコヴァーなどのメインの食事に様々なソースと共に提供されます。
さて、スヴィーチェコヴァーの味がより一層引き立つ食べ方は何だと思いますか?ほかの料理と違って、添えられたクネドリーキは美味しいソースがしっかり染み込みます。しっかりとソースが染み込んだクネドリーキを小さく切り、一塊のお肉と一緒に食べてもらうのが一番でしょう。クリームソースがかかったスヴィーチェコヴァーは、クランベリージャムとレモンスライス、時にはホイップクリームと一緒に出てくることもあリます。チェコ料理は日々進化しています。もしかしたらスヴィーチェコヴァーも、伝統的なレシピだけでなく、現代的に進化した味を楽しむこともできるかもしれません。
名前の由来はキャンドル!?
このスヴィーチェコヴァーのネーミングはどこから来たものでしょうか?これには多くのチェコ人も首をかしげます。しかし、一番説得力があるのは、何世紀前もの古いレシピに由来する、というものです。スヴィーチェコヴァーはもともと狩りで捕獲された動物(広大な森林のおかげで、チェコには現在も多くの野生動物がいます)の肉で作られていました。かつてはノロジカ、ダマジカ、羊などの肉を柔らかく、より美味しくするために調理前に酢でマリネするのが習慣でした。マリネした肉は常時冷えた貯蔵庫に保管していたため、定期的にひっくり返す作業が必要でした。その際に家政婦がキャンドル(チェコ語で「スヴィチ(svíčky)」を灯していたことが、そうです、スヴィーチェコヴァーの名前の由来となったと言われています。
チェコを訪れたときにはクリームソースとクネドリーキ が添えられたスヴィチェコヴァーを食べてみることを忘れずに。絶対に後悔しない味を楽しむことができるでしょう!
美味しいスヴィーチェコヴァーのレストラン
- ハイクオリティーのチェコ料理を提供する認定されたレストランは「CzechSpecials」のロゴが記載されています。リンク:http://www.czechspecials.cz
- レストランゲーテ、プラハ:ウェブサイトは こちら
- レストラン ポッド・ザームケム、プルーホニツェ:ウェブサイトは こちら
- ヴィラ パトリオット、マリアーンスケー・ラーズ二ェ:ウェブサイトは こちら
- レストラン・プレゼンカ、ブルノ :ウェブサイトは こちら