モダンチェコ料理と自家製ワイン。ミシュランレストラン「Salabka」

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プラハで最も自然が多いエリア、プラハ7区トローヤ「Troja 」。今回は緑豊かなトローヤの丘に広がるワイン畑、酒造場、コテージ、そしてレストランを営むサラブカ「Salabka」へ行ってきました。

Salabkaについて

Salabkaはモダンなチェコ料理と自家製ワインが楽しめるレストランで、ミシュランガイドにも掲載されるチェコトップクラスとされるレストランの1つです。

そのトップクラスのレストランのほとんどはプラハ中心地の建物1階で営業されるため、豊かな自然と共に食事を楽しむことができるのはSalabkaだけかもしれません。もちろんロケーションだけでなくレストランの食事こそが魅力的です。

中心地の近くにありながらプラハ最大の広さを誇るワイン畑で収穫され、敷地内にある酒造場でつくられた自家製ワインをはじめ、使用する食材はオーガニックなものを厳選しています。そして、ほとんどが地元の食材でつくられた料理は、まさにプラハの自然を堪能できるミシュランレストランと言えます。

お店までの道のり

緑豊かなトローヤに位置するSalabkaですが、プラハの中心地からはわずか20分ほどで行くことができます。周辺には、プラハ動物園や植物庭園などの自然に触れられる人気スポットがあるので、こちらを楽しんでからレストランへ行かれても良いかもしれませんね。

https://www.google.com/maps/place/Salabka/@50.1208659,14.4098868,15z/data=!4m2!3m1!1s0x0:0x3592d5842054b27e?sa=X&ved=2ahUKEwjA6JTJyIf4AhW6QvEDHRPfDqQQ_BJ6BAhbEAU

レストランまではトラムとバスで行きます。プラハ中心地からバス停まではトラムに乗り、その後は112番のバスに乗ります。トラムの種類やバス乗り場など、どこから出発するかによって経路が異なるので、Googleマップで検索することをお勧めします。

バスを下車するのは、動物園前。そこから丘の上へ向かって歩きます。道中のワイン畑を眺め、期待に胸を弾ませること約8分。ついにSalabkaの入り口が見えてきます。

店内

数世紀に渡りリノベーションを繰り返して現在のレンストランになっているようです。石を積んだ壁や木の梁を生かした内装にアットホームな雰囲気を感じました。窓からはワイン畑が望めます。

メニュー

メニューはノンベジタリアンとベジタリアンに分かれていて、それぞれ5種類のコースから選べます。ずっと行きたい思っていた念願のレストランでしたので、奮発して1人2600コルナ(約13000円 / ノンベジタリアン)のコースをオーダーしました。コースの料金は、ノンベジタリアンとベジタリアンに関わらず均一なようです。

食前酒

コースは食前酒から始まります。今回食前酒でいただいたワインは、目前に広がるブドウ畑で収穫された自家製2016年のスパークリングワインでした。もいだばかりのブドウのようなフレッシュな香りがする1杯でした。ちなみに、お酒があまり飲めない方は予めウェイターさんに伝えておいた方がいいかもしれませんね。ノンアルコールのドリンクもあるようなので、色々と相談してみると良いと思います。

AMUSE BOUCHES

食前酒を楽しんでいると、アミューズブーシュ(食前酒と一緒にいただく一口大のオードブル)が一皿づつ運ばれてきます。

左上:オニオンコンソメスープ スプリングオニオン チャイブ ワッフル
丁寧にローストされたオニオンスープ。口あたりがとてもまろやかで、玉ねぎの甘さが凝縮された丸みのある味わいです。付け合わせのサクサクのワッフルと一緒にいただきます。

右上:春ニンジン 粒マスタード ヨーグルト パセリオイル
目の前で、パセリオイル入りヨーグルトソースを掛けてくれます。想像に反するコリコリした食感に驚きました。

左下:鹿肉のタルタル タルト トリュフ マヨネーズ
チェコの伝統的な料理タタラークを鹿肉でアレンジした逸品です。まったりした口当たりの生の鹿肉と、カリカリのタルト生地が感動させてくれます。

右下:ポテトリゾット 西洋ネギ ミントオイル
細かく刻んだポテトの上に、ポテトのクリームソースをかけ、チップスがトッピングされています。ひとつの食材でリゾットをつくり出すというアイデアに感銘を受けました。

BREAD

バターブレッド、グラハムブレッド、タピオカパンの3種類の自家製ブレッドを、付け合わせと共にをいただきます。2種類のバター、ラディッシュとラベージ入りのカードチーズ、そしてスパイスと共に熟成されたラード。全てが異常に美味しいです。

STARTERS

前菜は2種類から選べます。

左:チョウザメのソテー ズッキーニ バジル キャビア レモンのブールルランソース
サメの特徴なのか料理の仕方なのかわかりませんが、今まで食べていた魚とは全く違う舌触りや味を感じました。

右:アスパラガス 卵黄 バニラオランデーズソース
アスパラとソースの食感や味に感じる、コントラストの幅広さにとても驚きました。

MAIN COURSES

ついにメインです。こちらも2種類から選べます。

左:鴨肉 コールラビ シルバースキンオニオン ルバーブ、チキンソース
コースのメインでありながら、脂身も少なく全く重くならない仕上がりです。

右:モレルマッシュルームの詰め物 マッシュルームのルラード 赤ワインソース
今まで食べたことない味に、驚きが続きます。ソースと野菜、そして詰め物のチーズに味覚の奥行きを感じます。

CHEESES、PRE DESSERT

メインの後はチーズ。そしてプレデザートです。

チーズ(左):チェコ農家のチーズセレクション ローストパラナッツ グレープチャツネ 自家製ブラウンブレッド
こちらもチェコの農家で作っている全く異なった四種のチーズです。

プレデザート(右):キュウリのソルベ パプリカソース ディルオイル
デザートの前に口の中をサッパリさるため、プレデザートをいただきます。キュウリの味を凝縮した冷んやりしたソルベと、酸味のあるソースでリフレッシュできます。これでデザートをいただく準備が整いました。

DESSERT、PETIT FOURS

最後はお待ちかねのデザート。

デザート(左上)
ルバーブという野菜をメインに使用したパフェです。クリーミーでとろけるような食感がたまりません。フィジークパウダーが口の中でパチパチと弾け、食感のコンビネーションも楽しめます。まろやかな甘さのアイスクリームは、フローラルな香りと、アーモンドのコク、酸味のあるソースで色々な印象を楽しめます。

プチフルール(右下)
青リンゴのクリームが詰まっているボール、ワインから作られたゼリー、レモンクッキーとバニラクリーム、ルビーチョコレートのビスケット。こちらの3種類に加え、プラリネボックス(左下)から好きなもの1つを選びます。私が選んだアーモンドとヘーゼルナッツのプラリネは、口に入れるとすぐに中のガナッシュが弾け出して、今まで食べたことがないような美味しさに感動しました。

ワイン、蒸留酒

レストラン併設の酒造場では、オーガニックワインの他に、プラムやリンゴの蒸留酒を手作りしています。畑の管理から製造まで全ての工程を自分たちの手で行なっていることに強いこだわりを感じました。チェコには「Vinařství roku」というワインコンテストがありSalabkaワインはファイナリストに選ばれています。

最後に

どの料理も自然の味が凝集された味わい深い品々でした。今まで見たことがないような食材のコンビネーションや、食感、まるでアート作品のような盛り付け、知識豊富なウェイターのおもてなし、どれをとっても最高でした。個人的には憧れのレストランに行けたことが一生思い出になりました。
みなさんもプラハを訪れた際は、せっかくですから最高のチェコ料理を味わってみるのはいかがでしょうか。

店舗情報

Salabka
・住所: Troja, K Bohnicím 57/2, 171 00 Praha 7
・電話番号: +420 778 019 002
・営業時間: 12:00~15:00、17:30~22:00
・定休日: 日、月、火
・URL: https://www.salabka.cz
・Facebook: https://www.facebook.com/salabka/?fref=ts
・Instagram:https://www.instagram.com/salabka_restaurant/
※要予約です。予約はインターネットからできます。

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この記事を書いた人

アートサバイブログ

アートメディア「アートサバイブログ」です。「クリエイティブに世界をサバイブする」をテーマに、チェコを中心としたヨーロッパのアートシーンや、アーティストサバイブ情報などを発信しています。活動拠点としているプラハは常に新しい魅力に溢れています。みなさんの好奇心を刺激するホットな情報から、ディープなスポットまでお届けできたらと思います。