ユダのロープを連想するパン「イダーシェ(Jidáše)」
今年もキリスト教圏最大の祝祭・イースターが近づいてきました。
イースター(復活祭)は、十字架に架けられて処刑されたイエス・キリストが3日目に復活を遂げたことを祝うものです。また、春の到来と新たな農作年の開始を意味する春最初の満月を祝う、太古の昔から存在する祝祭日です。
日本と同じくチェコ人の多くは無宗教の人が多いのですが、古くから続くイースターの伝統の習慣が残っており、各家庭でお祝いをします。
このイースターの期間はたくさんの特別な料理を食べるのも習慣の一つです。
今日はその一つ「イダーシェ」のレシピを紹介します。
「イダーシュ(Jidáš)」とは、イエス・キリストの弟子の一人「ユダ」のことです。
キリスト教にはそこまで詳しくないので詳細は割愛しますが、このユダが裏切ったことでキリストは逮捕され、処刑をされるに至ったという人物です。ユダはその後首を吊り自殺をするのですが、この「イダーシェ」はその首を吊ったロープを表現しています。
このパンは、聖水曜日(つまり今日!)の夜に焼くのが伝統です。そして、聖木曜日の日の出の間にこのパンを食べると、翌年は人間に裏切られること、ヘビに噛まれるころ、蜂に刺されることがないと言われています。 万が一日の出の前に起きられなくても、聖木曜日の朝食に食べれば良いでしょう。
それではイダーシェを作ってみましょう。
【材料】
- 薄力粉 500g
- 無塩バター 70g
- 卵黄 2個分
- シングルクリーム 300ml(脂肪分18%程度)
- 砂糖 80g
- 生イースト 25g ※ドライイーストの場合は9g
- 塩 4g
- ナツメグ 挽きたて少々
- すりおろしたレモンの皮 レモン1/4個分
<コーティング>
- 卵 1個
- ハチミツ 大さじ2
- 無塩バター 大さじ1
【作り方】
- イースト、砂糖、ぬるめに温めたシングルクリーム100mlを混ぜ、小麦粉大さじ1を加えて発酵させます。
- 残りの材料を混ぜ合わせ、1. の生地を加えてもう一度混ぜ合わせ、くっつかなくなるまで混ぜます。滑らかで弾力性が出てくるまでさらに5~10分間こねます。
- 生地を丸めてボウルに入れてラップで覆い、2倍の大きさになるまで発酵させます(約1時間)。
- 発酵したら生地を取り出し、再度こねて気泡を取り除き、4等分にカットします。カットした生地をさらに8等分し、最終的に24等分にします。
- それぞれの生地を約20-25cmの細いロープ状にしていきます。生地の端をくるくると巻いて「結び目」を作り、ベーキングペーパーを敷いたオーブントレイに置きます。(トレイは2枚必要になる可能性があります)
- 卵黄と水大さじ2を泡立て器でかき混ぜ、丸めたパンの表面に塗って20分間発酵させます。オーブンを190℃に予熱します。
- 発酵した生地に再度6. の卵液を塗り、オーブンで15分焼きます。
- 焼いている間にコーティング用の蜂蜜を温め、さいの目に切ったバターを加え、完全に溶けるまで混ぜておきます。
- オーブンからパンを取り出し、すぐに8.のコーティングを塗ります。
- パンが完全に冷えたら食べましょう!
良かったらぜひ作ってみてくださいね♪