チェコの伝統料理とは?
「チェコ」というと、まず思い浮かぶのはビール!でもチェコ料理は思い浮かびますか?
チェコ共和国はちょうどヨーロッパの中央に位置していて、周りの国々との関係も密接です。こういった歴史背景もあり、なにが純粋にチェコ発祥のものなのかをいうのは意外と困難なのです。「チェコの伝統料理ってなに?」とチェコ人に聞けば、ちょっと困った表情を浮かべるかもしれません。いくら地図上では国が違うとはいえども、食文化は簡単に国境を越えてしまうからです。ということで、チェコ料理といわれているものは、ポーランド、スロバキア、ハンガリー、オーストリアなどのものと非常に似ているのです。
でも違った視点から見れば、チェコで食べるものはなんでもチェコ料理とも言えてしまいます。同じ料理でも地域によって少しずつバリエーションが加えられているからです。チェコの東モラヴィア地方で飲むキャベツのスープは、スロバキアで飲むものとはまったく違うはずです。
なにはともあれ、チェコ料理に欠かせないのはスープとソースでしょう。特にスヴィチュコヴァー・ナ・スメタニェという牛肉のクリームソース煮はチェコ人にとって馴染み深いもの。この料理をチェコ料理でないなんて言ったら、チェコ人に怒られてしまいますからね(笑)

ところでここで簡単なチェコの食にまつわる歴史を。実はチェコ料理にはユニークな歴史があるんです。チェコ料理が発展したのは19世紀ごろ。伝説的料理家マグダレナ・レッティゴヴァーが、1826年に初めてチェコ語で書かれたレシピ本を発行し、19世紀のベストセラーになりました。150年前のレシピとはいえ、現代でも有名シェフや人気フードブロガーが振り返り参考にするほどです。しかし20世紀に入ると暗黒時代が訪れます。共産主義時代、国は料理の創造性を奪い、すべてのレストランで同じメニューを出すことを強いました。ここでチェコ料理は一度色を失うこととなるのです。でもご安心を。21世になり、若手シェフ達が再びチェコ伝統料理を復活させ、美味しい時間を過ごせるよう腕を振るっています!

「チェコ料理」というカテゴリーでは、これからチェコ人が大好きな料理や、その作り方、どこで食べたらいいかなどを紹介していこうと考えています。ビールに合うおつまみ的な食べ物についてもどんどん紹介していくつもりです。チェコのボヘミア地方やモラヴィア地方を旅行しながら、美味しい料理の思い出をたくさん作れるといいですね!