城内で開催されていたクリスマスの人形劇にて

今月のART-2018年12月

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ブルノに留学中の行貝さんから新しい記事が届きました!アーティストとしてご活躍されている行貝さんらしく、たくさんのアートに触れられています。留学やワーキングホリデーをしている間に楽しめるものがたくさんありますね♪ もちろん旅行中に体験しても。それではお楽しみください!

◎● 芸術の街 ●◎

私がチェコを好きな大きな理由のひとつに、街と芸術との関わりというのがあります。チェコは街のいたるところに様々な芸術鑑賞の機会が(毎日観きれないほど)あふれていて、とても衝撃的でした。街の主要な劇場では、オペラやバレエ、演劇、コンテンポラリーダンス、ブラックライトシアター、人形劇など。音楽鑑賞はコンサートホールやジャズバー、お城、教会などで。もちろん、美術館や博物館、各種建築などでも開催されていて、挙げたらキリがないほどです。一体どれほどの数の人たちが芸術に関わって働いているのか?と興奮したのでした。鑑賞しに来ているのは観光客だけでなく、地元の常連さんらしき層やファミリー、カップルいろいろです。これだけ機会があれば日常の延長で芸術に触れられるし、なるほど芸術熟度が高いのは納得ですね!

チェコの劇場系のHPはとても充実していてトレーラーと呼ばれる内容予告動画というものがあります。事前に演目の雰囲気をチェックできるのは大変ありがたいですね。チケットもwebサイトから簡単に購入することができます。このような外国人向けのインフォメーションやサービスの充実は日本も是非参考にして頂きたいところ。ここ数年のチェコ滞在期間中は、結構舞台を観たのだけど、まだまだ到底観きれる訳もなく、ここにもチェコで生活したい理由があるのでした。
観光客の時は時間に限りがあり、どうしてもメジャーな演目やハイライトばかりを追ってしまいがち。住んだからには、しっかりと街を歩いて潜んでいる文化芸術を掘り起こし、体験していきたいと思います!
という訳で、前置きが長くなりましたが、今月のアートを振り返ってみますね。

● 即興音楽のワークショップ ●

@THE HOUSE OF ARTS
参加費 大人40kc 小人 20kc

THE HOUSE OF ART 外観

チェコでの生活で決めたことの一つに未経験を楽しむ。というのがあります。今までの人生で経験したことのないものは積極的に取り組んでみよう!というものです。10月下旬に新しくビジュアルアート部門が開設されたこちらのギャラリー。近隣国に募集をかけ、来年早々からアーティスト イン レジデンス(アーティストによる滞在制作)もやっている模様。
今回私が参加したのは、子供向けの即興音楽ワークショップです。即興音楽ですから、音楽の経験も問われませんし、チェコ語もまだ赤ちゃんレベルなのでちょうど良いです。大まかな流れは。。。

奇妙な楽譜が配られる

それをプロの楽団が演奏する

子供たちが配られた五線譜に自由に何かを描く

子供たちの描いた楽譜(のようなもの)を楽団の方が演奏する

今度はそれをみんなで演奏してみる

即興音楽WSの様子①
即興音楽WSの様子②

私たちが使う楽器は空き瓶や民族楽器、台所にあるような雑貨など、簡単に音を出すことができるものたち。参加者の中には自分の楽器を持参している子もいました。楽譜の解釈は自由です。楽団の方が指揮をとってくれるので、自分のパートがきたら各自楽譜を解釈して音を出します。机を引きずったり、身体を叩いたり、とにかく音を出して楽しむ。というまさに音楽の始まりの体験でした。グルーブを共有する喜び。忘れてた感覚を取り戻しました。

● 実験劇場   ●

@DIVADlO HUSA
観劇料金 大人 60kc〜120kc

DIVADLO HUSA 外観
DIVADLO HUSA 受付付近

日本でいうところの小劇場サイズ(客席50席くらい)の劇場の一つ。少人数の演劇や人形劇などの上演をしています。金額もリーズナブルで上演時間も1時間ほどのものが多いので気軽に観劇できます。劇場内に各種フライヤーが置いてあるので気になったものを観ていますが、ほとんどがチェコ語の上演なので選ぶのはもっぱら人形劇になりますね。窓口とオンラインと両方でチケットを購入できます。こちらの劇場でよく上演しているの人形劇団  (設立20周年らしい) DIVADLO Líšeň の世界観が好みで4回ほど足を運びました。上演後はセットを見せてくれたり人形を触らせてもらったりの交流の時間があるのもとても良いですね。こちらの劇団では大人向けと子供向けの人形劇がありました。

こちらは大人向けの人形劇のセット。廃材で作られています。
BARの入り口

そして、劇場にはCafeやBarが併設されていることが多いです。良い演目を観た後はなぜかビールを飲みたくなる。。。チェコの不思議。HUSAに併設しているBARもワクワクするような入り口です。

● カルチャースポット ●

@ART BAR
参加費 ドリンク代+お気持ち

ARTというよりはカルチャー寄りのスポットを探していたら、友人がネットで発見!Brnoにもありましたよ。こちらは中心地からトラムで北へ五分ほどのエリア、ルージャンキ公園の近くの地下のお店です。定期開催のB級映画の上映会があるとの情報で早速行ってみました。雰囲気はまさにカルチャースポット。アングラの匂いがします。細長い建物を奥に進んでいくと100名ほど収容できるイベントスペース、そのままBARエリアと繋がっていました。BARでドリンクを買って着席します。

地下の秘密基地みたいな雰囲気
スケジュール
映画の途中で休憩タイム

この日の映画は「PINK FLAMINGOS」(1974年)アメリカのカルトコメディでした。20年ほど前に鑑賞しましたが、かなり強烈な映画だったのでとてもよく覚えています。まさかチェコでまたこの映画を観ることになるとは!定期開催のイベントだからでしょうか、司会者の方とお客さんたちみなさまリラックスした様子。客席から合いの手や上映中にもツッコミが入ります。そして休憩タイム(映画は93分と短めなのですが)爆笑の中、上映は終わりました。こちらのイベントは特に料金設定は無く、ワンドリンクオーダーとバケツにお気持ちを入れるスタイル。これももた新しい体験でした。映画や演劇以外にも、ほぼ毎日何かしらイベントがあるようです。これからも要チェックですね。

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この記事を書いた人

行貝 チヱ

行貝チヱ(Chiye NAMEGAI)
写真家・フォトコラージュアーティスト。劇場型移動式写真館「行貝写真館」主宰。国内外の展示やアートプロジェクトに多数参加。 
静岡東部で活動するScale Laboratorysy立ち上げメンバー。2019年のPQに向けて現在、南モラヴィアの中心地、美食の街Brnoにて語学と社会勉強中。
ウェヴサイト 行貝写真館Scale Laboratory
Email chiyenamegai@gmail.com