チェコ語を勉強するには?
チェコ語を勉強したい。でも、どうやって?

日本でチェコ語を勉強するには、どういう方法が考えられるでしょうか? 手っ取り早いのは、どこかのチェコ語のクラスに参加することです。しかし、チェコ語のクラスは英語のようにどこにでもあるわけではなく、首都圏の大都市に固まっています。思いつくままに挙げると、チェコセンター、朝日カルチャーセンター、DILA大学書林国際語学アカデミーなどがあります。これがひとたび首都圏を離れると、大阪や名古屋のような大都市でさえ、チェコ語の教室を見つけることは非常に難しくなります。もっとも最近は、日本の思いがけない町にチェコ人が住んでいたりするので、幸運にもそういった人が近くにいたら、個人的に教えてもらえるかもしれません。
教科書いろいろ

残念ながら周りに教えてくれる人が誰もいない時は、独学するしか方法がなくなります。その場合ネックとなるのは、教科書の選び方でしょう。筆者がチェコ語を始めた時には、やはり周りに誰もいなかったので独学で始めましたが、使ったのは当時日本語で出ていた唯一の教科書『チェコ語の入門』(千野栄一・千野ズデンカ共著 白水社 1975)でした。この教科書でしか学ぶことができなかったのは筆者だけではなく、同じ世代に属する人は皆そうだったのだと思いますが、こういったマイナーな言語に時々ある、素人が書いたとんでもない教科書とは違って、このしっかりとした教科書で学ぶことが出来たのは、幸運だったといえるでしょう。
今では、『チェコ語の入門』の他にも、何種類かのチェコ語の教科書が出版されています。絶版になっていても、インターネットを使えば簡単に中古で手に入れることができます。
- 『チェコ語の基本 入門から中級の入り口まで』(金指久美子著 三修社 2012)
- 『ニューエクスプレス チェコ語』(保川亜矢子著 白水社 2007)
- 『チェコ語初級』(石川達夫著 大学書林 1992)
- 『中・東欧のことばをはじめましょう チェコ語CD入り』(石川達夫/カレル・フィアラ共著 朝日出版社 2001)
おすすめの教科書
筆者もチェコ語を教えたことがありますが、日本語で書かれたチェコ語の教科書の中で一番教えやすかったのは『エクスプレス 新稿版 チェコ語』(保川亜矢子著 白水社 1997)です。載せるべき文法事項が多い中で、この本は20課の中にそれを無理なくまとめ上げていると思います。同じ著者が出された新しい教科書もあるので、それらの教科書を一通り終えたら、少し詳しい『チェコ語初級』などをやってみるなどの方法をとるといいと思います。
しかし、独学で到達できるレベルにはおのずから限界があり、どこかの時点ではクラスに参加するとか、会話を人に教えてもらうなどのプロセスが必要になってきます。あるいは、ある程度基礎が出来て、時間とお金に余裕があったら、短期間でもチェコに行って教えてもらうのもいいでしょう。

さらなる飛躍のために
チェコ語は、学習の始めの段階で覚えることが多く、少々取っつきにくい言語ですが、それを読んだり話せるようになると、大きな楽しみが先に待っています。ゆっくりでも着実に勉強を進めていってください。