ラジオで聴くチェコ
チェコ語に触れる機会
日本にいながらにしてチェコ語に触れる、あるいはチェコ語を聞く機会は、昔はかなり限られていましたが、今はネットを通じて多くの可能性があります。例えば、YouTubeの検索でキーワードを日本語の単語で入力してもいくらかは出て来ますし、英語だともっと多くの、チェコ語で入れれば数えきれない動画を探し出すことができます。いろいろな媒体がある中、今回はラジオを使ってどのようにチェコ語に触れることができるかをご紹介してみましょう。
とは言っても、受信機を使ってということではありません。まだインターネットが普及していなかった時代(と言ってもつい20年ほど前です)、短波ラジオを使ってチェコ語の放送を受信するのは、至難の業でした。しかし今は、ネットラジオで雑音のない鮮明な放送を聴くことができます。
チェコの代表的なラジオ局
チェコには、公営のチェコラジオ(Český rozhlas)という放送局があり、いくつかのチャンネルを持っています(余談ですが、たびたび来日して日本のクラシック音楽ファンにおなじみの「プラハ放送交響楽団」は、このラジオ局に所属するオーケストラです)。
このチェコラジオは、国内向けのチャンネルのほかに国外向けの放送も発信していて、これは「ラジオ・プラハ(英語やドイツ語ではプラーグ)」と呼ばれています。チェコ語・英語・ドイツ語・ロシア語・フランス語・スペイン語の6か国語の放送を聴くことができます。
ユニバーサルな言語で、最新のニュースやトピックを選んで聴くことができるので、とても便利です。

国内向けのチェコ語の放送
国内向けの放送としては、「ラジオジャーナル(Radiožurnál)」、「ドゥヴォイカ(Dvojka)」、「ヴルタヴァ(Vltava)」があり、ホームページで番組表が公開されていて、生放送も聴くことができます。
「ラジオジャーナル」は報道専門で、毎正時にニュースを流すほか、解説やドキュメンタリー等を放送しています。「ドゥヴォイカ」や「ヴルタヴァ」になると、娯楽の色合いが濃くなり、いろいろなジャンルの音楽やドラマ、朗読などを聴くことができます。
日本のラジオと違うのは、ドラマや朗読の比重が高い点です。これは、ラジオ局が新作を作り続ける一方で、昔放送したものの再放送をどんどん流しているからです。そのおかげで、昔の名優たちが登場するドラマや朗読を手軽に楽しむことが出来ます。
ちなみに、チェコはラジオ・ドラマや朗読の質がとても高く、チェコの映画史に名を刻んでいるような俳優たちがドラマの主役・脇役や朗読の読み手として出演しており、特に人気を博したものの中には、CD化されているものもあります。
チェコ音楽もラジオで!

さらに、チェコといえばクラシック音楽が有名ですが、これを専門に放送している「D-dur」という局もあります。古今の名曲のほか、日本ではほとんど聴く機会のないチェコの作曲家――フォレステル、クシージュコフスキー、ノヴァークなど――の作品に親しむチャンスもあります。ジャズの愛好家のためには、「Jazz」というチャンネルもあります。
ラジオというと、テレビに比べていかにも地味な、パっとしないものと捉えられがちですが、遠い日本にいてチェコのことを手軽に生で知るためには、格好のメディアといえるのではないでしょうか?
主なラジオ局のリンク:
- ラジオジャーナル https://radiozurnal.rozhlas.cz/
- ドゥヴォイカ https://dvojka.rozhlas.cz/
- ヴルタヴァ https://vltava.rozhlas.cz/
- ラジオ・プラハ(プラーグ) https://www.radio.cz/cz
- D-dur https://d-dur.rozhlas.cz/
- Jazz https://jazz.rozhlas.cz/