チェコの文化が育むチェコの音楽 – 大畑博貴さん
チェコ親善アンバサダー2018紹介シリーズ、3人目は高校で教員をされている大畑博貴さんです。最初にチェコへ行ったのは20年前の1999年。そこからチェコを好きになって、チェコ




1999年、ヨーロッパ研修旅行の初めての引率で、チェコプラハとブルノを訪れたのが、チェコ初訪問です。
チェコスロヴァキアからチェコとなった直後で、プラハは新しく町の開発が行われ、あちらこちらで工事の音が響き、新しく国を作ろうとする活気と熱気に満ち溢れていたことに驚きと、人々の強い意識を感じたことが、まず第一にあります。
ブルノでも、町を案内してくれたヤナーチェク音楽院の先生から、旧市街の高台から新市街を見ながら「これからはこの(新市街)を発展させていくことが必要です」と、町に対する誇りと自分の町を発展させていこうとする気高さに心うたれた記憶が強く残っています。
この二つの印象が、チェコを(チェコの人たち)を好きになった理由であり、ポイントです。

前回の飯野さんもそうでしたが、チェコ人の熱い思いが私たちの心に訴えかけるのですね。
チェコと出会ったことでご自身で変わったことはありましたか?

プラハの美しい街並み、ブルノの温かい人たちに出会い、自分たちの国や町を誇りに思う気持ちが伝わり、私自身も自分の国や住んでいる町を振り返ることができました。
日本と比較してみると、チェコの人たちの人柄が真面目で几帳面、どことなく照れ屋に思えたところは日本と共通するところかな?と思いました。チェコ(チェコの人たち)に対して、より親近感を持つようになった所が、私自身の中で一番変わったところだと思います。

確かに、シャイな感じは日本人と似ているような気がします。
では、チェコと日本、一番大きな違いは何だと思いますか?

言語とその発音ですね。チェコ語の発音は世界一難しいと伺い、何度聞いても発音をマネることができません。


言語をインストールしていないので、チェコ語で書けませんが…
「ドヴリー デン」「ドヴリー ラーノ」「ドヴリー ヴェーチェル」
「ジュクイ ヴァーム」「プロスィーム」「アノ」「ネ」
余談ですが、生徒たちが演奏したコンサートのアンコールに、チェコの童謡(曲名は忘れてしまいました!)を用意したのですが、チェコ語の意味が分からず、図書館のチェコ和辞典を紐解き、発音と単語の意味を調べて、おおよその発音と意味を調べて行ったのですが、現地でガイドの方に確認させてもらったら大方、発音・意味が合っていたのは嬉しかったです。

それは嬉しいですね!その国の言葉で少しでもコミュニケーションができると、お互いにより近く感じられて楽しい思い出になると思います。
滞在中はチェコ料理を食べられたかと思いますが、ご家族やご友人に一番おすすめしたいチェコ料理と飲み物は何ですか?

付け合わせでよく出てくるクネドリーキ!クネドリーキのついていない魚やお肉は、ワサビのなしの刺身のような気がします!飲み物は赤ワインを絶対に外せません!




ではここでこれまでの日本からの旅路についてもう少し聞かせてください。
日本からチェコへはどのように行かれましたか?

飛行機で、フランクフルト/パリ/アムステルダムのいずれかを経由して、プラハ空港へ行った事があります。特におすすめはありませんが、自分自身が行ったことのあるルートであることと、チェコ以外の諸都市を経由することで、プラハ空港に到着した時に、よりチェコらしさを比較することができるのが良いですね。
(経験談的には、空港ストライキでエライ目に遭ったことがあるところはあまり経由したくないです。いい思い出がありませんので、、、)。

ストライキがあるとどうにもならないですからね、、、チェコにも直行便ができると良いのですが!
チェココルナ は、どこで両替しますか?

日本と、現地のホテルまたは両替所でします。日本では2万円くらい両替して持参しました。研修旅行引率のため、あまり買い物をする時間も余裕もありませんので、飲み物や小物のお土産を買う程度しか使うことがありませんでした。ただ、コルナの紙幣しか到着時にはなかったので、トイレとかに行く時に小銭がなくて困りました。この経験を生かして、2度目からは前回のチェコ旅行で残った小銭を必ず持って行くようにしています。(トイレに行きたい生徒たちに貸してあげたことも何度となく…)。

そうですね、小銭問題はありますね。トイレは飛行機の中で済ませてから、ですね!
ちなみにこれまでチェコに行かれたのは何月頃ですか?これから行ってみたい季節はありますか?



一回に5日~6日で、予算は30~35万円です。


これまでは一都市に3泊が最長だったのですが、堪能するとすれば一都市あたり7泊くらいしたいです。というのも、定番の場所は全部行きたいのもありますが、それ以外にも、たくさんある小さなお店やちょっとした景色の良い場所でゆっくり時間を取りたいですし、スーパーマーケットも覗いてみたいです。(日本でも知らない土地でスーパーとかを探検するのが大好きなもので)。

道中、日本語の表記は多かったですか?少なかったですか?

日本語表記は少ないと思いますが、英語表記があるので特に困ったことはありません。チェコ語のみだとお手上げです。付け焼刃のチェコ語学習では、たぶん対策にならないと思いますので、英語表記が頼りです。。

旅をしている中で言葉で困ったことはありましたか?

挨拶以外のチェコ語はチンプンカンプンで…お互いにブロークンイングリッシュでやり取りする方が意思疎通できました。

なるほど!それでもなんとかコミュニケーションはできた感じですか?

たぶん…できたのではないかと…。英語はお互いに母国語ではないので、お互いに安心したような感じで、かえって気持ちが通じたのではないかと思っています。(そう思っているのは私側だけかもしれませんが…)

お互いが母国語でコミュニケーションした時の方が通じるというのは、結構あるんじゃないかと個人的には思います。ボディーランゲージと合わせれば何とかなることは多いです(笑)
では、誰にも教えたくないチェコの隠れた名所はありますか?

定番の場所にしか行ったことがなく、まだ行ったことがありませんが、ブルノのトゥーゲントハット邸に行ってみたいです。


100年近く前に建てられたこの邸宅が、今なお斬新なデザインであることのすごさですね。実際にこの目で見て確かめてみたいです。
あと最近になって知ったブルノのオロロイも、たぶん何気なく見ていたと思うのですが、もう一度今度はちゃんと見てみたいです。


ボヘミア地方からモラヴィア地方にかけて広がる森。場所によって森の色が変わります。それぞれの地方の森の色と、そこで生まれた音楽とが深く関わっていることがよく分かります。


定番になってしまいますが、ドヴォルザークのチェロ協奏曲です。ボヘミアの森の音がすると思っています。

それは良いですね。是非一度試してみたいです!
日本にいてチェコを恋しく思う瞬間はありますか?

毎年行われるヨーロッパ研修旅行で、出発する生徒たちを見送る時に恋しくなります。


チェコは初めての生徒ばかりなので、やはりプラハの旧市街、そして歴史的な建造物の数々をじっくり見て知って欲しいと思います。
それと同時に、チェコの歴史についても知ることができれば、それが音楽の都ウィーンであったり、ドイツやフランス、イタリアへと広がっていった時にも、その土地その土地で生まれた文化、歴史、そしてその上に成り立つ音楽であると言うことを、生徒たちの肌で感じて欲しいと思っています。



一度だけ日本公演を聴いたことがある、チェコフィルハーモニーを長年率いてきた指揮者のヴァーツラフ・ノイマン。音楽を語り尽くしたいです。ちなみに私自身ピアノ教師をしており、ドボルザークのチェコ協奏曲や、最近手に入れた、シュルホフのジャズ舞踊組曲というピアノ曲も好きです。






チェコワイン!ビールも勿論大好きですですが、先ほどの答えにもあったカベルネソービニオンのワインは、「チェコのカベルネはブドウが違うんですよ」と教えてくれたワイン。その時の美味しい記憶が選ぶ理由です。
合う料理と言えば…まず1番はクネードリキです!
私が飲んだワインは口当たりがサラッとした赤ワインだったのですが、淡白な魚料理や日本料理にも合うと私は思います。!



チェコの音楽というとドヴォルザークやヤナーチェクの作品に代表されますが、もっと色々な作曲家の作品を知り、広めて行きたいと思います。

ありがとうございます!多くの方にチェコの音楽をもっと知っていただけたら嬉しいです。
最後に読者のみなさんにメッセージをお願いします!。
まずは行って、見て、食べて、飲んで。人々の温かさが作る温かい町を感じてくれたらと思います!
私自身、まだまだ知らないことが多いですが、私がチェコを訪れた時に感じた、チェコの人たちの真面目さや温かい人柄、そして素晴らしい文化が生み出す音楽を知って、もっと知りたいと思っています。
