チェコのアウトドア製品Tilakの魅力に迫る!
アウトドアスポーツが盛んなチェコ。休暇になれば山や森に出かけて自然で過ごす家族がとても多いです。そんな体を動かすことが大好きなチェコ人が作ったTilak(ティラック)というブランドの魅力を、日本でTilakの代理店をしている株式会社バーリオの澤田さんに語っていただきました。
ティラックとは
Tilak(ティラック)は1986年、ローマン・カムラーが地元Sumperkという小さな町で創業したアウトドアウェアブランド。
品質管理を徹底すべく、自社工場で生産管理を行い、全ての工程を仕上げています。 欧米大手ブランドのように大量生産は出来ませんが、最高レベルの生地を用い世界最高品質の縫製技術とデザインで、1点1点仕上げています。
現在ティラックは、アウトドア、ミリタリー、そして「poutnik(ポートニック)」という、トラベルシーンを想定した機能服の3ラインで構成されています。
希少性高いチェコ製
そのクオリティの高さは勿論ですが、実は高機能素材をメインとした一貫工場というのは各種機械が特殊で高額である為、人件費の高いEUではビジネスとして成立させることはとても難しく、生産拠点のほとんどが中国をはじめとしたアジア圏になります。ゆえに今EU内で現存している工場は数件しかなく、ティラックは大変貴重な存在です。
現在、チェコの国営山岳救助隊をはじめ、海上警察、また軍用ウェアなどチェコのみならずEU諸国からのオファーが絶えません。
ワークスタイル
私達は商品のカッコ良さもそうですが、ブランドのストーリー、背景というものをとても重要視しています。そういう意味では、創業者ローマンが生まれ育った地で自社生産に頑固に拘り続けている姿勢に大変興味がありました。
ローマンはとても情熱的で几帳面、細部に拘る完璧主義者。その他スタッフもその影響からか、自分の仕事にプライドと責任を持ち、熱く接してくれます。基本ワークタイムは早朝5時から昼の2時まで。理由は朝が最も集中力が増し生産効率が良く、また昼過ぎに終える事で家族との時間やプライベートを有意義に過ごせるからと。
初めて本社訪問した際、その話を聞いたときは大変驚きましたが、確かにこの時間の使い方は得した気分になります。14時に仕事終え、あるスタッフは幼稚園へ子供のお迎えに、また違うスタッフは大工姿に変貌し家のセルフリノベーションに精を出していました。皆、とても充実した毎日を過ごしています。
ローマンは言います、「歴史的に見て、チェコという国は先進国の下請け工場として成り立ってきた背景があります。しかし、これからは自分達が作る商品にプライドを持ち、最高品質のモノを世界に出す。チェコ製、チェコという国、自分達の生き方にもっと誇りを持つ必要がある。」
なんとなく日々過ごしてきた自分にとっては全てが衝撃的で、仕事に対する考え方や時間の使い方、またプライベートの重要性を彼らに気付かせてもらって、会社としても個人としても彼らとの出会いが大きな転機になった事は間違いありません。
Sandstone
現在ティラックの商品は幅広いラインナップでありますが、核となるスタイルはクライミングです。ローマンはクライミングをこよなく愛しており、数年前にボヘミア地方最北端に位置するクライマーの聖地「Sandstone」に連れて行ってくれました。国立公園として保護されたエリアで、見たこともない大きな岩がそびえ立っています。ローマンは岩を見つめながら、「老後はここに移り住みたい。死ぬ時はベッドの上ではなく、岩で死ぬのが夢」と笑顔で僕らに話してくれました。
澤田篤宏
株式会社バーリオ ディレクター
『機能美ある大人のデイリーウェア』をコンセプトに、国内外15ブランド程のディストリビューション、セールスレップ、ブランディング業務を務める。